十勝川温泉清寂房

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十勝川温泉 清寂房（せいじゃくぼう）は、北海道十勝川沿いに佇む、全室源泉掛け流し露天風呂付きの総平屋建ての温泉宿です。小学生以上からの宿泊を受け付けており、大人の落ち着いた空間で非日常を味わえることが特徴です。

1. 概要・特徴

• 総平屋建ての宿: 豊かな十勝川のほとりに位置し、宿全体が平屋造りという贅沢な設計です。四方に客室が連なり、その内側にレストラン、エステ、大浴場、さらに内側に中庭が配置されています。
• 全室源泉掛け流し露天風呂付き: 24室すべての客室に、プライベートな源泉掛け流し露天風呂が備わっています。50平米以上の広々とした空間で、好きな時に好きなだけモール温泉を堪能できます。
• 大人の空間: 小学生以上からの宿泊が可能で、静かで落ち着いた滞在を求める方に適しています。
• ダイナミックな建築デザイン: 回廊でつながれた大浴場やロウリュができるサウナなど、随所にこだわりが感じられるデザインが非日常感を演出しています。
• 「はなれ」のような客室: 宿の外側を取り囲むように配置された客室は、建物の中にいながらも独立した「はなれ」のようなプライベート感を提供します。

2. 温泉の種類・効能・浴場設備

• 泉質: 「モール温泉」と呼ばれる、世界的にも珍しい植物性の温泉です。太古の植物が堆積した地層から湧き出す琥珀色のお湯で、「美肌の湯」として知られています。とろりとした肌触りが特徴で、身体を芯まで温め、保湿効果に優れているとされます。泉質分類は「単純温泉」または「ナトリウム－塩化物・炭酸水素塩泉（弱アルカリ性低張性高温泉）」とされます。
• 効能: 神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、冷え性、疲労回復、健康増進、きりきず、やけど、慢性皮膚病、慢性婦人病などに効果があるとされています。
• 大浴場: 館内には大浴場があり、露天風呂とロウリュ可能なサウナが併設されています。日中は高い天井から柔らかな日差しが差し込み、開放的な空間で温泉を楽しめます。
• 客室露天風呂: 全室に源泉掛け流しの露天風呂があり、2名でもゆったり入れる広さです。

3. 客室の種類・設備・アメニティ

• 客室の種類: 全24室すべてが50平米以上の広さで、源泉掛け流し露天風呂と庭を備えています。客室内は和洋室で、畳床の上にクイーンベッド2台のハリウッドツイン仕様です。スタンダードツイン、スーペリアツイン、デラックスツイン、エグゼクティブツインなどのタイプがあります。
• 客室設備:
  • 全館Wi-Fi完備
  • 加湿機能付き高性能エアコン
  • TV
  • 電気ポット
  • 冷蔵庫（飲料入り）
  • サウンドバー
  • コーヒーマシン
  • トイレ（洗浄機付）
  • シャワールーム（一部）
• アメニティ:
  • ナイトウェア、バスローブ
  • ナノ機能付きドライヤー（ReFa BEAUTECH ドライヤーなどの高級ドライヤーを完備している場合も）
  • シャンプー＆コンディショナー（BVLGARI、aloma ess goldなど）
  • ボディソープ、石鹸、ボディタオル、スポンジ
  • スキンケアセット（化粧水、乳液、メイク落としなど、Predia・雪肌精などのブランド）
  • 歯ブラシ、カミソリ、シェービングジェル・フォーム
  • コットン、綿棒、くし、ブラシ、シャワーキャップ
  • 衣類の消臭スプレー
  • お茶セット（無料）、ミネラルウォーター

4. 食事の内容

• コンセプト: 十勝の風土と四季が育んだ豊かな食材を最大限に活かした食事が提供されます。
• 夕食:
  • 創作和食会席「JAPANESE DINING 和敬（WAKEI）」: 北海道産や全国各地の旬の食材を、総料理長が和食をベースに多様なジャンルのテイストを融合させた会席料理です。お造り、きんきの旨煮、A5ランク十勝和牛の西京味噌漬け焼き、雲丹茶碗蒸し、ズワイ蟹の押し寿司など、季節ごとに変わる贅沢なメニューが提供されます。道産ワインをはじめ、日本酒や焼酎など地元のお酒も豊富に取り揃えられています。
  • 鉄板焼き「GRILL & DINING 十勝川（TOKACHIGAWA）」: 中庭で焚き火が灯る特別な空間で、海鮮やA5ランク十勝和牛のフィレとサーロインなどをシェフが目の前で調理する鉄板焼きコースです。
• 朝食: 静寂な目覚めの後、和朝食が提供されます。朝日が差し込むダイニング「和敬」で、十勝産長芋の千切り、道内産烏賊そうめん、十勝産メークインとソーセージのバター醤油煮、道内産ゆめぴりかの白米、北海道産シジミの味噌汁などが提供されます。

5. 館内施設・サービス

• ダイニング: 和食会席「JAPANESE DINING 和敬」、鉄板焼き「GRILL & DINING 十勝川」
• BAR: プライベートな空間で約20種類のカクテルを楽しめます。
• 大浴場: 露天風呂とロウリュサウナ付き。
• エステティック: 提供施設の言及はあるが、詳細は不明。
• 駐車場: 無料駐車場あり。
• その他: 全館Wi-Fi完備、喫煙所、ルームサービス（アメニティに記載あり）、エレベーター。

6. アクセス方法・送迎

• JR・バスでお越しの方:
  • JR帯広駅から十勝バス【45】十勝川温泉線で約30分、「十勝川温泉南」バス停下車後、徒歩約3分です。
• 飛行機でお越しの方:
  • とかち帯広空港から車で約40分。JR帯広駅までの空港連絡バスも利用可能です。
• 車でお越しの方:
  • JR帯広駅から車で約20分。北海道道73号帯広浦幌線沿いに位置しています。
• 送迎サービス:
  • ホテルが独自で運行する送迎バスに関する直接的な情報は見当たりませんでしたが、期間限定の「モール温泉号」という無料送迎バス（札幌駅・旭川駅から十勝川温泉宿泊施設へ）のキャンペーン情報があります。これは各宿泊施設で予約受付を行っており、モール温泉号利用客限定の特典も付帯します（要確認）。

7. 宿泊プラン・料金・予約方法

• 宿泊料金: 客室タイプや時期、プランによって異なります。JTBなどの旅行サイトでは、大人2名1室利用時の1泊1部屋あたりの料金が90,200円～228,800円（税込）などの目安が示されています。
• ベストレート保証: 公式サイトからの予約で、他サイトよりも20%お得になる「ベストレート保証」を提供しています（宿泊条件が同じ場合に限る）。
• 特典: 公式サイトからの予約では、ドリンク1杯無料サービスやウェルカムギフトサービスなどの特典がある場合があります。
• 予約方法:
  • 公式サイト: オンラインでの空室検索・予約が可能です。
  • 各旅行予約サイト: 価格.com、JTB、じゃらんnet、楽天トラベル、一休.comなどで宿泊プランの比較・予約が可能です。
• チェックイン・チェックアウト: 標準的なチェックインは15:00、チェックアウトは11:00ですが、プランによって異なる場合があります。

8. 宿泊者の口コミ・評価

総合的に非常に高い評価を得ています。

• 温泉: 「モール温泉は軟らかで素晴らしい」「化粧水のように滑らかで素晴らしい」「客室露天風呂が素晴らしく、何度も入った」と非常に好評です。客室露天風呂は「広くて気持ちいい」との声が多く、大浴場よりも客室露天風呂を高く評価する声もあります。
• 客室: 「広々として清潔感があり、ゆっくりと過ごせる」「内装も新しくて快適」「アメニティも高級感があり、細部までこだわっている」と高評価です。全館畳敷きで、履き物なしで移動できる点も好評です。
• 食事: 「地元の食材を工夫を凝らした調理で見た目もよく、美味しくいただいた」「創作和食会席が美味しく大満足」と高評価です。朝食についても美味しいとの声が多いです。一部で「創作和食なので、これでいいのかなぁと思いつつも汁椀が頂きたかった」といった具体的な感想も見られますが、全体的には満足度が高いです。
• サービス・接客: 「スタッフの方々のおもてなしの気持ちが嬉しかった」「温かいおもてなし」「従業員の皆様の接客も最高」と、ホスピタリティを絶賛する声が非常に多いです。到着から出発まで気持ちよく過ごせる点が評価されています。
• 施設・設備: 「建物とお部屋が快適で素敵」「和モダンで広い」「広々としたロビーや回廊型の廊下のディスプレイなども楽しめるおしゃれな空間」と、デザイン性の高さや清潔感が評価されています。大浴場の脱衣所が狭い、サウナの椅子が一つしかないといった指摘もありますが、全体的な満足度は高いです。

十勝川温泉清寂房は、上質なモール温泉とプライベートな空間、そして細やかなおもてなしと美食を求める方におすすめの、非常に満足度の高い温泉宿と言えるでしょう。

和敬清寂（わけいせいじゃく）：茶道の心髄と日本の美意識

「和敬清寂（わけいせいじゃく）」とは、日本の茶道（茶の湯）の精神を最も深く表す言葉です。茶道を大成した千利休によって確立されたこの四字熟語は、単なる茶会の心得にとどまらず、人との関わり方や生き方にも通じる、日本人の精神文化の根幹をなす美意識の一つとされています。

和敬清寂の四つの意味

「和敬清寂」は、四つの漢字それぞれが独立した意味を持ちながら、互いに深く結びつき、一体となって茶道の理想的な境地を示しています。

1. 和（わ）：調和・和合

   「和」は、お互いに心を開き、和やかな気持ちでいることを意味します。茶会においては、亭主（主人）と客、客同士が互いに心を通わせ、作り出す一体感を指します。また、茶道具の取り合わせや、茶室と自然の景色の調和など、あらゆるものが調和している状態も「和」の心です。これは、争いを好まず、協力し合うことを重んじる日本的な価値観の表れでもあります。

2. 敬（けい）：尊敬

   「敬」は、相手を敬い、謙虚な気持ちで接することを意味します。亭主は客を心から敬い、客は亭主のもてなしに感謝し、敬意を払います。また、人だけでなく、茶碗をはじめとする道具や、茶室という空間、さらには茶の湯を生み出した先人たちへの感謝と尊敬の念も含まれます。身分や貧富に関わらず、茶室の中では誰もが平等であり、互いを尊重し合う精神がここにあります。

3. 清（せい）：清浄・清潔

   「清」は、目に見える清らかさと、目に見えない心の清らかさの両方を指します。茶室や茶庭が塵一つなく掃き清められ、茶道具が清潔に保たれているといった物理的な清浄さ。そして、そうした環境に身を置くことで、心の中の邪念や欲望が洗い流され、澄み切った清らかな心境になるという精神的な清浄さ。この二つの「清」が一体となって、茶の湯の空間を神聖なものにします。

4. 寂（じゃく）：静寂・閑寂

   「寂」は、静かで落ち着いた、動じない心の状態を指します。「さび」という言葉の語源とも言われ、単なる静けさではなく、内面からにじみ出るような奥深い静寂さを意味します。華美な装飾を排し、簡素で無駄のない空間や所作の中にこそ、本質的な美しさや豊かさを見出す境地です。動揺や不安から解放され、静かに自分自身と向き合うことで得られる、穏やかで満ち足りた心のあり方を示しています。

千利休と和敬清寂

この「和敬清寂」の理念は、安土桃山時代の茶人、千利休によって体系化されました。利休は、それまで貴族や武士の権威の象徴であった豪華な茶の湯から、不要なものを削ぎ落とし、精神性を重んじる「わび茶」を大成させました。その「わび茶」の精神的支柱こそが「和敬清寂」であり、茶を点て、飲むという行為を通して、この四つの心を体得することこそが茶道の究極の目的とされています。

現代に生きる「和敬清寂」

「和敬清寂」の精神は、茶道の世界だけでなく、現代社会を生きる私たちにとっても多くの示唆を与えてくれます。

• 人間関係において：他者と和やかに接し（和）、相手への尊敬を忘れない（敬）。
• 仕事や生活において：身の回りを整え、清々しい気持ちで物事に取り組む（清）。
• 心の持ち方として：情報過多な社会の中で、静かに自分と向き合う時間を持つ（寂）。

このように、和敬清寂は、慌ただしい日常の中で私たちが忘れがちな、穏やかで豊かな心のあり方を示してくれる、日本が世界に誇るべき精神文化と言えるでしょう。