フランス・ブルゴーニュ産ワインの特徴について

フランスのブルゴーニュ地方は、ボルドーと並ぶ二大銘醸地ですが、そのワインは大きく異なる特徴を持っています。ブルゴーニュワインの魅力は、テロワール（畑の個性）と、それを表現する単一品種へのこだわりです。

1. 最大の特徴：単一品種へのこだわり (テロワールの表現)

ブルゴーニュワインの最大の特徴は、基本的に少数のブドウ品種のみを使用し、ブレンドしないことです。

これにより、ワインの味わいはその年の気候（ヴィンテージ）や、それぞれの**畑が持つ土壌の個性（テロワール）**を強く反映します。

ブルゴーニュのピノ・ノワールは「エレガンス」の象徴とされます。

色合い: ボルドーの赤ワイン（カベルネ・ソーヴィニヨン主体）に比べて色が淡く、透き通ったルビー色。
タンニン・渋み: タンニン（渋み）は穏やかで滑らか。
味わい・香り: 酸味が豊かで生き生きとしている。ラズベリー、チェリー、イチゴなどの赤系果実の華やかな香りが特徴。熟成すると、土、キノコ、獣皮などの複雑で官能的な香りが加わる。
スタイル: ライト～ミディアムボディで、繊細でエレガントな味わい。和食との相性も良いとされる。

ブルゴーニュはシャルドネの世界的な銘醸地であり、幅広いスタイルの白ワインを生み出します。

味わい・香り:
- 北部のシャブリ地区: 冷涼な気候とキンメリジャンと呼ばれる石灰質土壌の影響で、ミネラル感が強く、鋼のように引き締まった辛口で、柑橘系のフレッシュな酸味が特徴。
- 南部のコート・ド・ボーヌ地区 (ムルソー、ピュリニー・モンラッシェなど): より豊満でまろやか。樽熟成によるバターやナッツ、ヴァニラなどの風味が加わり、ふくよかで複雑な味わいが特徴。

ボルドーが「シャトー（生産者）」を格付けの対象としたのに対し、ブルゴーニュでは**「畑（テロワール）」**が最も重要視されます。

格付け	特徴
グラン・クリュ (特級畑)	特定の畑名のみが表記される最高級の格付け。「ロマネ・コンティ」「モンラッシェ」など。
プルミエ・クリュ (一級畑)	村名と畑名が併記される。特級に準ずる品質。
ヴィラージュ (村名)	特定の村名のみが表記される。その村の平均的なテロワールを表す。
レジョナル (広域)	地方全体、または広い範囲の呼称。「ブルゴーニュ・ルージュ」「ブルゴーニュ・ブラン」など。

ブルゴーニュワインを選ぶ際には、どの村のどの畑で造られたか、という情報が、ボルドー以上に重要になります。