スペーシアX
スペーシアXは、東武鉄道が運行している新型特急列車で、浅草駅と東武日光駅・鬼怒川温泉駅を結んでいます。正式名称は「N100系」ですが、愛称の「スペーシアX」で広く知られています。従来の特急スペーシア（100系）の伝統を受け継ぎつつ、車両デザインやサービスを大幅に進化させたフラッグシップ特急です。
車両デザインと座席
スペーシアXの大きな特徴は、多種多様な6種類の座席と、それらを組み合わせた車両デザインにあります。
コックピットスイート: 6号車の最前部に位置する、定員7名の豪華な個室。プライベートジェットをイメージした広々とした空間が魅力です。
コックピットラウンジ: 1号車にあり、カフェのような雰囲気でくつろげるラウンジ席です。1名から4名まで利用できます。
コンパートメント: 6号車にある4名用の個室で、コの字型のソファが設置されています。家族やグループでの利用に最適です。
ボックスシート: 5号車にある2名用の半個室で、窓側に固定テーブルがあります。
プレミアムシート: 2号車にあり、2+1列配置でシートピッチが広い、ワンランク上の座席です。電動リクライニング機能も備わっています。
スタンダードシート: 3号車、4号車、5号車にある、一般的な2+2列配置の座席です。
車両の外観は、日光東照宮陽明門の柱に塗られている「胡粉（ごふん）」の白をイメージした高貴な白色です。窓枠には鹿沼市の伝統工芸である組子をイメージしたデザインが施されています。
運行区間と料金
サービス
1号車には、日光や沿線のグルメ、スペーシアX限定の商品を販売するカフェカウンターが併設されており、特別な旅の思い出を作ることができます。
明治の館
日光の「明治の館」は、明治時代に建てられた西洋建築をそのまま利用した、クラシックな雰囲気の西洋料理レストランです。国指定の登録有形文化財にもなっており、料理と共に歴史的な建物の美しさを楽しむことができます。
歴史と建築の特徴
「明治の館」は、明治時代に日本に蓄音機を紹介したアメリカの貿易商、F.W. ホーンの別荘として建てられました。建物は18世紀に流行したジョージアン様式を基調としており、地元の稲荷川から採れる安山岩（日光石）を積み上げた乱れ石積みの壁面が特徴的です。この重厚で野趣に富んだ外観が、周囲の自然と調和しています。
レストランとしての魅力
この歴史ある洋館の中で、明治時代に育まれた伝統的な西洋料理を味わうことができます。
名物料理: 看板メニューとして特に人気が高いのは、「オムレツライス」です。チキンライスをふんわりとした卵で包み、手間暇かけて作られたデミグラスソースがかけられています。また、「ニルバーナ」という名前のチーズケーキも定番のデザートとして有名です。
地元の食材: 日光名物の湯波や干瓢を西洋料理に取り入れたメニューも楽しめます。
雰囲気: 店内は当時の面影を残しており、レトロで落ち着いた空間が広がっています。食事をしながら、明治のロマンを感じることができます。
日光東照宮からも近い場所にあり、観光客に人気のスポットとなっています。
日光金谷ホテルは、1873年（明治6年）に創業した現存する日本最古のリゾートホテルです。東照宮の楽師であった金谷善一郎が、訪日外国人のために自宅を宿泊施設として提供したのが始まりで、その歴史と格式から多くの著名人が宿泊しました。
歴史と特徴
創業: 1870年（明治3年）、米国人宣教医のヘボン博士が日光を訪れた際、金谷善一郎が自宅に泊めたことがきっかけで、外国人向け宿泊施設「金谷カテッジイン」を開業しました。これが金谷ホテルのルーツです。
建築様式: ホテル本館は、洋風の意匠に和の建築美（格子天井、網代天井など）が随所に織り交ぜられた、和洋折衷の美しい空間が特徴です。建物の一部は国の登録有形文化財に指定されています。
伝統料理: 創業以来受け継がれてきた伝統のフランス料理をメインダイニングで楽しむことができます。
宿泊した偉人
国内外の多くの著名人が日光金谷ホテルを訪れています。特に有名な宿泊客には以下のような人物がいます。
イザベラ・バード: 英国の旅行家で、著書『日本奥地紀行』で金谷カテッジインを紹介しました。
アルベルト・アインシュタイン: ノーベル賞受賞直後に来日した際に宿泊しました。
ヘレン・ケラー: 昭和初期に来日した際に宿泊しました。
チャールズ・リンドバーグ: 大西洋単独無着陸飛行を成功させたパイロットです。
フランク・ロイド・ライト: 帝国ホテルの設計で知られるアメリカの建築家です。
ドワイト・D・アイゼンハワー: 第34代アメリカ合衆国大統領です。
