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ヴーヴ・クリコは、1772年にフィリップ・クリコによってフランスのシャンパーニュ地方で創業されました。しかし、その名を世界に知らしめたのは、1805年に夫を亡くした後、弱冠27歳でメゾンを継承した彼の義理の娘、ニコル・バルブ・クリコ・ポンサルダン夫人です。「ヴーヴ（Veuve）」とはフランス語で「未亡人」を意味し、彼女の功績を称えてその名が冠されています。

クリコ夫人は、シャンパンの品質向上と普及に多大な貢献をしました。特に、ボトルを逆さまにして澱（おり）を集める「ティラージュ（動瓶）」の技術を確立し、透明で澄んだシャンパンを世界に送り出す基礎を築きました。彼女は「偉大なシャンパーニュはただ一つ、ヴーヴ・クリコ」と語り、その精神は今日まで受け継がれています。

イエローラベルブリュットの特徴

「イエローラベルブリュット」は、ヴーヴ・クリコを象徴するノン・ヴィンテージ（NV）シャンパンです。毎年安定した品質を提供するため、複数のヴィンテージ（収穫年）のワインがブレンドされています。

ぶどう品種

主に以下の3種類のブドウがブレンドされています。

ピノ・ノワール (Pinot Noir)： 約50〜55%を占め、シャンパンに骨格と力強さ、豊かな果実味をもたらします。
ピノ・ムニエ (Pinot Meunier)： 約15〜20%を占め、フルーティーさとまろやかさ、若々しさを与えます。
シャルドネ (Chardonnay)： 約28〜33%を占め、エレガンス、フレッシュさ、繊細なアロマをもたらします。

これらのブレンド比率は、メゾンが長年培ってきたノウハウと、収穫年のブドウの特性によって調整されます。

醸造・熟成

イエローラベルは、最低でも3年間の瓶内熟成を行います。これは、シャンパンのAOC（原産地統制名称）規定で定められているノン・ヴィンテージの最低熟成期間（15ヶ月）をはるかに上回る期間です。この長い熟成期間により、複雑なアロマと、きめ細かく持続性のある泡が生まれます。

味わいの特徴

色合い： 黄金色に輝き、繊細で勢いのある泡が持続的に立ち上ります。
香り： 白い花、ブリオッシュ（焼きたてのパン）、アーモンド、アプリコット、洋ナシなどの豊かなアロマが特徴です。熟成による複雑なニュアンスも感じられます。
味わい： 力強さとフレッシュさが絶妙に調和した辛口（ブリュット）です。最初に感じるアタックは力強く、その後、柑橘系の果実味とミネラル感、そしてほのかなトースト香が広がり、しっかりとした骨格と長い余韻が楽しめます。

ボトルとラベル

その名の通り、鮮やかなイエローのラベルが特徴的で、世界中でヴーヴ・クリコを象徴するアイコンとなっています。このラベルは、幸福感や楽観主義、大胆不敵さを表現していると言われています。

楽しみ方と合う料理

イエローラベルは、食前酒としてだけでなく、幅広い料理とのペアリングが楽しめるシャンパンです。

シーフード： 牡蠣、エビ、ホタテ、魚介のカルパッチョなど。
軽めの料理： 鶏肉料理、生ハム、白カビチーズなど。
和食： 寿司や天ぷらなど、繊細な和食との相性も良いとされています。

ヴーヴ・クリコイエローラベルブリュットは、お祝いの席にはもちろん、日常を彩る特別な一本としても世界中で愛され続けています。

【プロフェッツ・ロック】ピノ・ノワール・ホーム・ヴィンヤード[2021](赤ワイン)[750ml][ニュージーランド][マールボロ][ミディアムボディ][辛口]

プロフェッツ・ロックピノ・ノワールホーム・ヴィンヤード 2021

プロフェッツ・ロックの「ピノ・ノワールホーム・ヴィンヤード 2021」は、ニュージーランドのセントラル・オタゴを代表するワイナリーが手掛ける、非常に評価の高い赤ワインです。

生産者：プロフェッツ・ロック (Prophet's Rock)

プロフェッツ・ロックは、2000年にポール・プジョル氏によって設立されたブティックワイナリーです。ニュージーランドの南島、セントラル・オタゴ地方のバンノックバーンに拠点を置いています。この地域は、ピノ・ノワールの栽培に適した冷涼な気候と、特徴的な石灰岩質の土壌を持つことで知られています。

プロフェッツ・ロックは、ブルゴーニュのグラン・クリュに匹敵する品質のピノ・ノワールを造ることを目標としており、その哲学は「最高のブドウから最高のワインを造る」という非常にシンプルなものです。畑作業から醸造まで、徹底した手作業とこだわりによって、複雑で深みのあるワインを生み出しています。

ホーム・ヴィンヤードについて

「ホーム・ヴィンヤード」は、ワイナリーが所有するブドウ畑の中でも、最も重要な区画の一つです。この畑のブドウは、プロフェッツ・ロックのワインの核となる部分を担っています。

単一畑のピノ・ノワール: このワインは、特定の「ホーム・ヴィンヤード」という単一畑で収穫されたピノ・ノワールのみを使用して造られます。単一畑のワインは、その畑独自のテロワール（土壌、気候、日照など）の特徴を色濃く反映しているのが魅力です。
樹齢: 一般的に、プロフェッツ・ロックのピノ・ノワールは、樹齢が比較的若い段階から優れた品質を示すことで知られていますが、樹齢を重ねるごとに複雑さが増していきます。
土壌: バンノックバーンの特徴である石灰岩質の土壌が、ワインに独特のミネラル感とエレガンスを与えます。

2021年ヴィンテージの味わいの特徴

色合い: 深みのあるルビーレッド。
香り: 赤いベリー（チェリー、ラズベリー）や黒いベリー（ブラックチェリー、プラム）の豊かな果実のアロマが中心です。これに加えて、スミレのようなフローラルなニュアンス、森の下草、スパイス（クローブ、シナモン）、そして湿った土やトリュフのような複雑な香りが絡み合います。樽熟成による控えめなトーストやバニラのニュアンスも感じられるでしょう。
味わい: ミディアムボディでありながら、非常に凝縮感のある果実味が口いっぱいに広がります。シルキーで洗練されたタンニンと、生き生きとした酸味がバランス良く溶け合い、エレガントなストラクチャーを形成しています。ミネラル感も豊かで、余韻は長く、深みと複雑さが感じられます。
スタイル: ブルゴーニュのピノ・ノワールにも通じるフィネスとエレガンスを持ちながらも、セントラル・オタゴ特有の凝縮した果実味と力強さを併せ持っています。

楽しみ方と合う料理

このワインは、その複雑さとエレガンスから、様々な料理と組み合わせることができます。

肉料理: 鴨肉のロースト、キノコのソースを添えた鶏肉料理、豚肉のグリルなど。
キノコ料理: ポルチーニ茸のリゾットやソテー。
チーズ: ウォッシュタイプのチーズや熟成したハードチーズ。

プロフェッツ・ロックのピノ・ノワールは、長期熟成のポテンシャルも秘めており、数年寝かせることでさらに複雑さが増し、深みのある味わいへと進化します。2021年ヴィンテージも、今飲んでも楽しめますが、セラーで熟成させることで新たな発見があるかもしれません。

カステッロ・ディ・クエルチェート　キャンティクラシコ　リゼルバ　２０１９

カステッロ・ディ・クエルチェートキャンティ・クラシコリゼルヴァ 2019

「カステッロ・ディ・クエルチェートキャンティ・クラシコリゼルヴァ 2019」は、イタリアのトスカーナ地方、キャンティ・クラシコ地区で造られる、非常に評価の高い赤ワインです。

生産者：カステッロ・ディ・クエルチェート (Castello di Querceto)

カステッロ・ディ・クエルチェートは、19世紀末からワイン造りを行っている歴史あるワイナリーで、1980年代に現オーナーであるフランチェスコ・カルミナーニ氏が経営を引き継ぎ、その名を高めました。彼らは、キャンティ・クラシコの心臓部とも言えるグレーヴェ・イン・キャンティ地区の、標高の高い丘陵地帯に広大なブドウ畑を所有しています。

「キャンティ・クラシコ」の中でも、特に厳選されたブドウを使用し、伝統的な手法と最新技術を融合させて、テロワールの個性を最大限に引き出すワイン造りを行っています。彼らのワインは、エレガンスと複雑さ、そして長期熟成のポテンシャルを兼ね備えていることで知られています。

キャンティ・クラシコリゼルヴァについて

キャンティ・クラシコは、サンジョヴェーゼを主体としたトスカーナを代表する赤ワインです。その中でも「リゼルヴァ (Riserva)」は、通常のキャンティ・クラシコよりも厳しい規定が設けられており、より長い熟成期間を義務付けられています。

熟成期間: 収穫年の翌年1月1日から起算して、**最低24ヶ月（2年）**の熟成が義務付けられています。このうち、少なくとも3ヶ月は瓶熟成が必要です。これにより、ワインはより複雑な風味とまろやかさを獲得します。
格付け: キャンティ・クラシコの中でも上級の品質に位置づけられ、特別な畑や厳選されたブドウから造られることが多いです。

2019年ヴィンテージの味わいの特徴

2019年のヴィンテージは、一般的にトスカーナ地方にとって非常に良好な年とされています。日照量と降雨量のバランスが良く、質の高いブドウが収穫されました。

ぶどう品種: サンジョヴェーゼを主体とし、規定により少量のカナイオーロやコロリーノ、国際品種（カベルネ・ソーヴィニヨンなど）がブレンドされることもあります。カステッロ・ディ・クエルチェートのキャンティ・クラシコリゼルヴァは、主にサンジョヴェーゼに少量のコロリーノやカナイオーロがブレンドされていることが多いです。
色合い: 深みのあるルビーレッドで、熟成によりレンガ色を帯びることがあります。
香り: チェリーやプラム、ラズベリーといった赤系果実の豊かなアロマが中心です。これに加えて、スミレの花、ドライハーブ、リコリス、革、タバコ、そして樽熟成に由来するバニラやスパイス（クローブ、ナツメグ）の複雑なニュアンスが感じられます。
味わい: 凝縮感のある果実味と、しっかりとした酸、そしてキメの細かいタンニンがバランス良く調和しています。リゼルヴァならではの奥行きと、複雑でエレガントな風味が特徴です。口に含むと、サンジョヴェーゼ特有の力強さと、洗練されたなめらかな舌触りが楽しめます。長い余韻には、ミネラル感やスパイスのニュアンスが感じられます。
スタイル: エレガントでありながら骨格があり、今飲んでも楽しめますが、数年〜10年以上の熟成にも耐えうるポテンシャルを持っています。