氷川丸の船内には、当時の豪華客船の雰囲気を伝える見どころがたくさんあります。主な見どころは以下の通りです。
1. 一等客室エリア(豪華なアール・デコ様式)
氷川丸の船内は、1930年代に流行したアール・デコ様式で統一されており、その豪華な内装は必見です。
- 一等食堂: 吹き抜けの高い天井と、当時流行の幾何学模様が施されたアール・デコ様式の装飾が美しい空間です。公式レセプションなども行われた場所で、当時の華やかな食事風景を想像させます。
- 一等社交室: 主に女性の社交場として使われた部屋で、華やかな内装が特徴です。夜にはダンスパーティーも開催され、紳士淑女が集う場でした。
- 一等喫煙室: 主に男性の社交場として使われ、落ち着いた雰囲気の内装です。世界の上級品のお酒やたばこが揃えられ、カードゲームなども楽しまれていたそうです。
- 一等読書室: 柱や天井灯、装飾ガラスなどが竣工当時のオリジナルのまま残されている部屋もあり、当時のデザインを間近で見ることができます。
- 一等特別室(スイートルーム): 喜劇王チャールズ・チャップリンや秩父宮雍仁親王・勢津子妃殿下など、各国の貴賓や著名人が利用した由緒ある客室です。ベッドルームの他に、応接室や浴室もあり、当時の豪華さを感じられます。壁紙などは竣工当時のものが残されていると言われています。
- 一等児童室: 子供たちが遊ぶための部屋で、可愛らしい内装が施されています。
2. 乗組員エリア(船の心臓部と操船の場)
船の運航を支えた乗組員たちのエリアも見学できます。
- 操舵室(ブリッジ): 船の最上部に位置し、前方を広く見渡せる場所です。木製の操舵輪やアナログ計器が並び、当時の操船の様子をうかがい知ることができます。ここには現在も神棚が設置されており、船の安全を祈願する伝統が受け継がれています。
- 機関室: 船の動力源である巨大なディーゼルエンジンを見学できます。8つの気筒で構成されたディーゼルエンジンが左右に1基ずつ設置されており、その迫力は圧巻です。下層部に降りる階段もあり、水面下6mの場所まで見学できます。
3. その他の見どころ
- プロムナードデッキ: 土日祝日には開放され、船上から横浜港の美しい景色を楽しむことができます。
- 展示コーナー: 氷川丸の建造から引退、そして現在に至るまでの波乱に満ちた歴史や、病院船としての活躍、乗船した著名人など、様々な資料や写真が展示されています。
氷川丸の船内見学は、単に船を見るだけでなく、昭和初期の豪華客船の暮らしや、激動の時代を乗り越えた船の歴史を肌で感じられる貴重な体験となるでしょう。