新美の巨人たち　あなたの町の名建築⑤「学士会館」×内田有紀📺12/21 (土) 22:00 ～ 22:30

こんにちは

猫好き父さんです

素晴らしい建物ですよね

一度だけ

友人の結婚式で行ったことがあります

一夜限りのコンサート楽しみですね

昭和　3（1928）年竣工の「学士会館」は、映画やテレビドラマのロケ地にもなっており、一度は目にしたことがあるかもしれません。設計は、「川奈ホテル」（静岡県）、「帝国ホテル　東京本館」（千代田区）・「上高地帝国ホテル」（長野県）などを手がけた建築家・高橋貞太郎。

画像は公式からの引用です

学士会館

学士会館（がくしかいかん）は、東京都千代田区神田錦町にある、歴史と風格を兼ね備えた建物です。元々は旧帝国大学（現在の国立七大学：北海道大学、東北大学、東京大学、名古屋大学、京都大学、大阪大学、九州大学）の卒業生による同窓会組織「学士会」の会員のための施設として建てられましたが、現在は一般の人々も利用できる複合施設となっています。

学士会館の概要と特徴

学士会館は、宴会場、結婚式場、ホテル、レストラン＆バーなどの機能を備えた複合施設です。

歴史と伝統: 1928年（昭和3年）に竣工した歴史ある建物で、都心にありながらも重厚でクラシカルな雰囲気が漂います。かつては貴族の社交場としても使われていた歴史を持ちます。
建築美: 関東大震災後の震災復興建築として建てられた鉄骨鉄筋コンクリート造（SRC造）の建物で、耐震・耐火性に優れていました。特徴的なのは、玄関の半円大アーチや、スクラッチタイルを全面にまとった外観です。窓周りのデザインも、2・3階の直線基調と4階の曲線基調の対比がモダンな印象を与えます。設計は、日本橋高島屋なども手掛けた建築家・高橋貞太郎と佐野利器が担当し、1937年（昭和12年）には藤村朗による増築も行われました。2003年には国の登録有形文化財に登録されています。
多機能性: 宴会や会議、セミナー、同窓会といった会合の場として広く利用されてきました。ホテル機能も備え、宿泊も可能です。館内には様々な飲食店もあり、一般利用もできます。
アクセス: 都営三田線・神保町駅から徒歩1分と、アクセスも非常に便利です。

学士会館の歴史と背景

学士会館のルーツは、明治時代に遡ります。

学士会の創立: 1886年（明治19年）、帝国大学（現在の東京大学）を卒業した学士たちが、卒業生の親睦と学術交流を目的として「学士会」を創設しました。
会館の建設: 会員の増加と活動の広がりを受け、専用の会館建設が計画されます。1923年（大正12年）の関東大震災を経て、震災の教訓を生かした堅牢な建築として現在の学士会館が1928年に完成しました。総工費約106万円（現在の価値で約40億円）を投じた当時としては大規模なプロジェクトでした。
戦後の利用: 第二次世界大戦後は、一時的にGHQの高級将校用宿舎としても使用された時期があります。

現在と未来

長年にわたり多くの人々に親しまれてきた学士会館ですが、老朽化に伴う再開発事業が決定しました。

一時休館: 2024年12月29日をもって、学士会館は一時休館となりました。
再開発計画: 再開発事業では、文化財的価値の高い「旧館」は曳家（ひきや）によって移動・保存され、耐震・改修工事が行われます。一方で、増築部分である「新館」は解体される予定です。
再開予定: 新しい学士会館は、2030年頃の再開を目指しています。
デジタルアーカイブ: 休館前の学士会館の姿を記録し、その魅力を後世に伝えるため、「学士会館デジタルアーカイブ」が公開されており、VRコンテンツなどを通じてオンラインで会館の歴史や空間を体験することができます。

学士会館は、日本の近代建築史や学術交流の歴史を物語る重要な建造物であり、その一部が保存され、未来へ引き継がれることになります。

高橋貞太郎

高橋貞太郎（たかはしていたろう、1892年 - 1970年）は、大正から昭和にかけて活躍した日本の建築家です。特に邸宅やホテル建築に多くの秀作を残しました。

経歴と人物像

教育と初期のキャリア: 滋賀県彦根市出身。旧制第三高等学校（京都）を経て、1916年（大正5年）に東京帝国大学工科大学建築学科を卒業しました。東京帝国大学では、構造の権威である佐野利器に学び、成績優秀につき恩賜の銀時計を授与されるほどの秀才でした。
卒業後は民間の施工会社を経て、1917年（大正6年）に内務省明治神宮造営局技師となり、聖徳記念絵画館の実施設計にも携わりました。
その後、アメリカやヨーロッパへの外遊を経験し、1921年（大正10年）には宮内省内匠寮技師として、赤坂離宮の改修や宮邸の建設にも関わっています。
独立: 1930年（昭和5年）に独立し、高橋建築事務所を開設しました。
社会活動: 戦後も精力的に活動し、ライオンズクラブや救ライ運動など、社会事業にも深く関わりました。
晩年と評価: 晩年には、フランク・ロイド・ライト設計の旧帝国ホテル本館（ライト館）の取り壊しと、その跡地に帝国ホテル新本館を設計したことで、ライト館の保存を願う人々から批判にさらされることもありました。彼の設計した新本館は、ライト館のあまりにも有名な存在感の陰に隠れ、正当な評価を受けにくい面もありました。高橋は、帝国ホテル新本館が竣工した1970年に亡くなっています。

建築スタイルと代表作

高橋貞太郎は、邸宅やホテル建築にその手腕をいかんなく発揮しました。彼の作品は、時代を超えた品格と機能性を兼ね備え、クラシカルな美意識と、当時の最先端技術やデザインが融合したものが多く見られます。

主な代表作

学士会館（1928年）:
- 以前お話しした通り、関東大震災後の復興期に建てられた鉄筋コンクリート造の建物で、国の登録有形文化財にもなっています。スクラッチタイルを全面にまとった重厚な外観と、当時の最先端を行く設備が特徴です。学士会館の設計競技（コンペ）で入賞しました。
旧前田家本邸洋館（現・目黒区駒場公園）（1929年）:
- 旧加賀藩主前田家の第16代当主、前田利為侯爵の邸宅として建てられました。重厚で格調高い外観と、細部まで凝った内装が特徴で、現在も国の重要文化財に指定されています。
日本橋髙島屋（旧日本生命館、1933年）:
- 百貨店建築の傑作として知られ、国の重要文化財にも指定されています。高橋貞太郎が基本設計を担当し、村野藤吾が増築や内装の一部を手掛けました。その壮麗な外観と、豪華な内装は、当時の日本における商業建築の最高峰を示しています。
上高地帝国ホテル（1933年）:
- 日本初の本格的山岳リゾートホテルとして、そのコンセプトから設計までを手がけました。スイスの山小屋を思わせる赤い三角屋根と丸太造りの外観が、上高地の雄大な自然に調和しています。
川奈ホテル（1936年）:
- 静岡県伊東市にある名門リゾートホテル。スパニッシュ様式のリゾート風のスタイルを採用しており、リゾート建築における彼の才能が際立っています。

これらの作品から、高橋貞太郎が日本の近代建築史において重要な役割を果たし、特に上質な空間づくりとクラシックな美意識を追求した建築家であったことが伺えます。

【今年で見納めレトロ建築】#高橋貞太郎「#学士会館」
1928年竣工の学士たちの社交場。細部にまで凝らされた建築美に #内田有紀さんと迫ります。さらに #廣津留すみれさんのコンサートも。

12月21日(土)夜10時
テレビ東京系列にて放送🌈#新美の巨人たち #磯村勇斗 pic.twitter.com/ZJzZHKUw4W
— 新美の巨人たち (@binokyojintachi) December 14, 2024